この業界に入ってから早いものでもうすぐ6年になります。
私がこの業界に就職した頃はまだ1000ページを超える巨大サイトが1ページずつ作成されていたし、今では忌み嫌われるtableレイアウトは全盛で、紙媒体のデザイン制作会社が片手間に制作を行うこともありました。当時からモバイルビジネスは注目されていましたがDoCoMoの独占市場に挑むAU、J-Phone各陣営みたいな感じでした。
この6年間の技術の進歩が凄まじかったです。2年前に業界内の合い言葉のようにもてはやされたWeb2.0は何処へ行ったのかよく解りません。Web2.0とかタググラウドとかといったウェブの新しい言葉は新しい技術を表すものであったとしても私たちの生活に根付く言葉では無かったことは確かなようです。(一部「ブログ」は一般的になったかもしれませんが)
技術の進歩はウェブを一層生活を便利にするでしょう。が、私たちウェブ制作者は翻ってその技術の進歩に合わせたサービスの向上を図らなければなりません。私もそうですが、ウェブ制作をシステム開発的発想に置き換え技術と時間を切り売りするような職業だと思ってしまう節があると思います。
今おもてなしの天才―ニューヨークの風雲児が実践する成功のレシピという本を読んでいます。この本はニューヨークにある「ユニオン・スクウェア・カフェ」や「グラマシー・タバーン」の創業者ダニー・マイヤーの有名レストラン経営思想を記した本なのですが、書かれてある一つ一つの言葉が非常に心に残りました。
サービスは「独り言」、ホスピタリティは「対話」
この言葉を読んだときに思ったことは、私たちに必要なのは直接のクライアントがウェブで何をしたいのかを「対話」を通じてウェブサイトなりシステムを構築するコミュニケーション能力ではないかということです。たとえすばらしい技術を持っていたとしても、対話をしないで構築したウェブサイトはクライアントの満足につながるとは限りません。ウェブ制作の現場がこの不景気の中でどんどん予算が圧縮されつつあるなかで、私たちの作り出す成果物が評価されそれなりの対価を得るために、私たちがしなくてはならない事は技術の習得よりもむしろ「対話」する技術ではないでしょうか。